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お別れの餞に

4月15日深夜。
おばあちゃんが亡くなりました。
92歳。大往生です。

正直、心の準備がずいぶん前からできていたのでそんなに動揺しなかったつもりですが、
さすがに、親から電話が来た日の夜は声を上げて泣きました。

認知症を患って4年と2か月施設にいたおばあちゃん。

私は介護ヘルパーの資格を持っているのですが、
家族が認知症を患ったら、できれば施設にお願いできるのが
ベストの判断かな、と思っています。
これは一緒に生活してみないとわからない。
だから、いろんな意見があると思いますが、
我が実家では適切に祖母を祖母らしく扱える場所にお願いできたことに
本当に感謝しています。

わがままで、頑固で、強気で。
でも時に涙もろく、赤ちゃんが大好きで。
一生懸命で、とっても素直な人でした。

でも私の知っているおばあちゃんはほんの一部で、
私の知らないおばあちゃんもたくさんの人の中で生きているんだな。
精進落としの席で参列者の方のお話を伺って思いました。


亡くなるということは悲しいように思うけれど、
いつかは私もそうなるから。
人生を全うしたおばあちゃんの最期は、

悲しいと思わないほうがいいように思いました。

最後に会ったお顔が本当に美しかったおばあちゃん。
家族、友人、知人に囲まれ、
あんなに綺麗に最期を迎えられたら、
やっぱり女としては幸せかな、と思うのです。


孫代表で弔辞を読ませてもらいました。
おばあちゃんに餞の言葉を送ることができたのが、
本当にありがたいことです。


「お別れの言葉」

おばあちゃん。
ここに来ておばあちゃんに会うまで、おばあちゃんにどんな顔して会ったらいいか、
正直わからなくて。

でも、会えたお顔があんまり綺麗で、
ああ、穏やかな最期を迎えられたんだな、とホッとしました。
こんなに綺麗な九十二歳のお顔は初めて見ましたよ。うらやましいくらい。

子供のころ、
「おぼごは焼き場さはいぐもんでね(子供は火葬場に行くものじゃない)」
と言われたを思い出し、
子供を連れて火葬場に行かないことを選びました。
そんなわけで私も行けなかったけど、その間にいろんなことを思い出していました。

私の中にはいつでもちゃんとおばあちゃんに教えてもらったことがいっぱい詰まっています。

ひとつは料理。
私の家族はカレーが大好きだけど、
カレーの作り方や味の基本はおばあちゃんのカレー。
いろんなお店でカレーを食べても、やっぱり一番好きなのはおばあちゃんの作ったカレーです。

お米のとぎ方、煮物の味付け、山菜の食べ方、
一人暮らしを始めて、料理のことで困ったときはよくおばあちゃんに電話してましたね。

そして、裁縫や編み物。
いろんな縫い物や編み物をしているおばあちゃんの姿を見て、おばあちゃんに針と糸の通し方を教わったのが始まりで、もう十八年、舞台衣装を作っています。

オシャレで、綺麗なものが大好きだったおばあちゃん。
長女で跡継ぎだから行けなかったけど、
本当は東京の洋裁の学校に行きたかったんだと話してくれましたね。

私は、よく通る声の大きさもおばあちゃん譲りだし、
大きな口を開けて笑う笑い方もおばあちゃんそっくりだと我ながら思います。

忙しかったお母さんに代わって行儀作法や身だしなみも、おばあちゃんによく教わりましたね。
「さだげね!(恥ずかしい)」と言われてよくケンカもしたけど、
それでも、私たち孫のことをよく可愛がってくれました。
赤ちゃんが大好きで、ひ孫たちの誕生もとても喜んでくれましたね。

おじいちゃんが亡くなってからは特に、
何かとおばあちゃんを気にかけてきました。
とにかくおばあちゃんを大事にしたいと思って家族でやってきたつもりです。
うまくいったことも、楽しい思い出もたくさんあるし、
逆にうまくいかなかったことも、誤解もあったかもしれないけど、
でも、奥山家はおばあちゃんが大好きで、
いま、もっともっと大好き、といっておけばよかったな、と思います。

奥山家は愛情表現がへたくそな家族だな、つくづく思います。
大好き、とか、ありがとうって心ではすごくすごく思っていても
ちゃんと言えない人ばっかり。
日本人なんだし、そんなもんか、とも思うけど、
でもやっぱり大好きとありがとうは伝えないとって、
今おばあちゃんの写真をみながら思ったところです。

おばあちゃん、九十二年間お疲れさまでした。
これからもずっと大好きだよ、
本当に本当にありがとう。

平成二十七年四月十八日
孫を代表して。静香より。


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